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「………大丈夫ですか?」
「うわ…最悪…、…あ、…すみません。」
足元に落ちている荷物を拾い上げる
「すみません、ありがとうございます」
「いえ。」
目が合い、微笑んだ彼は桜に似た雰囲気だった。
「桜…綺麗ですよね。俺、好きでよく見に来るんですよ」
そっと見上げる横顔に思わず見とれそうになる。
「…私も桜好きなんです。儚いけど綺麗で何か惹き付けられるんですよね。」
無言で桜を見上げる私たちの間には気まずい空気ではなく、落ち着くような心地よい空気が流れていた。
「じゃあ、俺行きますね!ありがとうございました」
そう言って走って行った後ろ姿から目が離せなかった。
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