おばあちゃん

2/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
おばあちゃんが死んだ。 連絡を受けた私は電車の中だった。 大人になるのは恐ろしいことだと感じた。子供の頃ならすぐに両親が病院に連れていってくれたし、人目も気にせず泣いたのだろう。 私は大人になって仕事をしていて、おばあちゃんが死んだ時に駆けつけることもできず、ただ涙を堪えて電車に乗っていた。周りの人は私に不幸があったことなど知らない。みんな携帯に夢中だったり疲れた顔をしている。その中でただ1人、私はおばあちゃんが死んだという現実と向き合いながら実家にいそいでいた。おばあちゃんはもういないんだ。しにめにあえなかった。私はなんで、仕事をしていたんだろう。危ないと連絡があった時に意地でも実家に帰ろう、病院に向かわせてくれと言わなかったんだろう。なんでだろう…。私は何をやっているんだろう… 大人になるといろんな面で遠慮をしたり我慢をしたりしなくてはいけなくなる。今日は変わりの人がいないから私は休めないとか突然休んだりしたら周りにどう思われるかなとか、泣いちゃいけないのかなとか 大人 はもっと楽しく素敵だと思っていた。お母さんもお父さんも楽に生活していると思っていた。でも自分が大人になって知った。大人になると我慢をしたり自分の気持ちを押し殺したり 子供のほうがよっぽど楽しく素敵だ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!