おばあちゃん

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おじいちゃんが死んでからは月に1度位の頻度でお母さんに連れられて、おばあちゃん家に行っていた。おばあちゃんはいつも同じイスに座り、相変わらず天気予報を見ていた。私はおばあちゃん家に行くと本当にすることがなく、よく新聞の折り込みチラシを見ていた。だから小学生だったけど近所の安いスーパーはよく知っていた。 おじいちゃんが死んでからおばあちゃんはたまに買い物に出かけるようになって、ちょくちょくついて行った。必ずおばあちゃんは300円までお菓子を買ってくれた。お母さんは100円しか買ってくれなかったから、私はおばあちゃんとの買い物は楽しかった。私が中学生になってもおばあちゃんは一緒に買い物に行けば300円までお菓子を買ってくれた。 おばあちゃんは自分が食べるお惣菜をよく買っていた。料理はしなかったのでできあいの物を買っていた。おばあちゃんと私で今日はこれを食べよう。1番日持ちがする物を買っていこう。なんて話をしながら。 私は気づいてないだけで、この頃から意外とおばあちゃんが好きだったのかもしれない。 のんびりカートを押すおばあちゃんを後ろから支えるのは私の役目だった。おばあちゃんは中学生の私より小さくて、まさしくおばあちゃんというフォルムが私は好きだった。
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