手紙ひとつのディストピア

序章

本当は誰もがわかっていたはずである。
物語というものに始まりと終わりがあるように。
人間という生き物に生と死があったように。
今生きているこの世界にも必ず終わりが訪れるものだと。
そして“それ”が恐怖であることも。
今、誰かが筆を執った。
それは君か。それとも僕か。
恐怖に立ち向かう行動を正義なんて呼ぶもんじゃない。