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彼女は次の日から学校に来なかった。先生が『入院した』と言っていた。彼女が学校に来なくなったからと言って、誰も何も言わなかった。
もともと『空気』だったから、いてもいなくても変わらない。
月日はたち、彼女が退院した頃にはあたしたち、中学生になっていた。あたしは八組で、彼女は何組だったか知らないが、近くの組でないことはたしかだった。
クラスが違えば顔を合わすこともない。それに、噂によると、彼女はその後も入退院を繰り返していたそうだ。
あたしはあの本を、一度も読まなかった。もともと内容に興味がなかったのだ。机の引き出しに放り込んで、いつしかその存在すらも忘れていた。
返しそびれた本は、二十年もの間、机の引き出しの中にしまってあったのだ。
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