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暗転
「やだ!絶対ピンキードールのケーキがいいのー!」
「リタ、そんな事言っても今回はダメよ」
「むー」
リタは頬を膨らませてしかめっ面になる。
今日はリタの6歳の誕生日。
リビングで揉めている最中だった。
ピンキードールはこの街の外れにある老舗のケーキ屋だ。
リタの家ではお祝いごとがあるときにだけ食べるケーキなので特別なものだった。
「ママ、リタももう6歳だしお祝いに今回はいいんじゃないかな?」
パパが口を挟む。
「あなたまでそんなこと言うなんて……仕方ないわ。ピンキードールのケーキにしましょう。さあ急いで支度をして」
ママがそう言うとリタは大喜びして、そこら中を駆け回った。
すぐに支度をして馬車に乗り込んだ。
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