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「な、な何だって!?」
島野が思わず叫んだ。それと同時に赤島は規制線の張られた新宿御苑の門をくぐり、煙の上がった奥へと走り始めた。
「ちょっと、待ってください、危なすぎますよ!まだ、2回目の爆破があるかもしれないですよ!」
川島が赤島を追いかけながら叫んだ。源田と島野も追いかけた。規制線をくぐり、爆発のあった方へ近寄ると、身体から血を流して倒れている人、親とはぐれてしまって泣いている子ども、何が起こったのか理解できず大声で悲鳴を挙げる外国人観光客。オリンピックが近いからなのか新宿御苑は数十分前にはたくさんの人が自然に癒されていたのだろう。
「おいおい、どうなってるんだ…」
赤島が思わず心の声が漏れてしまった。
「とりあえず、お前らはケガ人の応急処置を急げ。俺は他に爆弾がないか見てくるから!」
赤島が指示を出し、他の3人はケガ人の手当てを始めた。
赤島は、サラリーマン時代に品川にある通信設備の企業に勤務していた。そのためか、彼は電子機器に強いため爆弾処理には自信があった。彼が公衆便所を見回したとき、壁に爆弾を見つけた。また、爆弾にはテープでケーブルカッターとねじ回しがくっ付いていた。よく見ると爆弾には液晶が付いていて、タイマーがセットされていた。残された時間は…10分。爆弾処理班を呼ぶ時間はない…
赤島は、自分自身で爆弾を解体することを決意した。ねじ回しを使い、爆弾の中身を見ると目覚まし時計が見えた。これは典型的な時限爆弾だった。赤島はこれと困ることもなく爆弾の解体に成功した。解体が終了し、赤島はふっと一安心した。そんな安心もつかの間、液晶には文字が流れ出した。
「勇敢なる日本の警察官よ。この出来事は序章に過ぎない。我々を止めることはできないだろう。」
爆弾処理を終えた赤島はケガ人の手当てに回っていた3人と合流した。
「赤島さん、偉いことになりましたね。」
「これって、うちの管轄内ですからうちの署に捜査本部が立ちますね…」
「また僕たちはお手伝いで終わりかぁ…忙しくなるなぁ…」
そう言って4人は四谷署に戻った。
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