0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
幼少期
「うるせぇな!!クソババア!!」
リンの一日は兄の怒鳴り声から始まる。
母親を怒鳴りつけ、投げ飛ばし汚い言葉を浴びせる。
その後は家中の物にあたり散らすのだ。
リンは母親と10歳上の兄と7歳上の姉の4人暮らしだ。
リンが2歳の時に父親が他界し母子家庭の末っ子として育った。
物心つく頃には母親と兄の仲は悪く、毎日のように怒鳴り合っていた。
姉は怒鳴り声と共にリンを部屋の隅に連れていき抱きしめた。
抱きしめ合い二人でじっと耐えるのだ。
そして兄との言い争いに母親が耐えきれず決まって家を出て行くのだ。
母親が靴を履く。
「お母さん待って!リンも行く!」
リンは必死に母親の後を追った。
この後は夜が明けるまで母親と二人、あてのないドライブをするのだ。
車内では母親はリンを罵倒し続ける。
ドライブ中リンは「八つ当たり」をされ続けるのだ。
それでもまた次の日になると母親に付いて一緒に家を出るのだ。
子供はどんな母親でも無条件で好きなのだ。
最初のコメントを投稿しよう!