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リンは父親が47歳、母親が37歳の時に産まれた。
当時リンの一家は父親の勤める電気工事の会社で管理人をしていた。
父親は中卒で就職し49歳で亡くなるまでの34年を電気工事の会社へ勤めた。
酒とギャンブルが好きで母親への暴力も頻繁にあったようだか、リンは父親の記憶を残さないまま死別していた。
一家は父親が亡くなる前に管理人を辞め、その後はボロボロの古い平屋に身を寄せていた。
おそらく昭和初期に建てた建物と思われる。
時代は昭和から平成になったにも関わらず、汲み取り式の便所に後付けの風呂。
家と風呂便所の間にはドブが流れていて、木の板が架けてあった。
屋根裏にはネズミが走っていた。
平成になり数ヶ月が経った頃、父親は夜遅く飲み屋へ行き、その帰りに道端で心不全を起こし亡くなった。
通行人の発見により病院へ運ばれたがすでに息を引き取っていたようだ。
ここから17年間、リンの地獄のような長い長い日々が始まるのだ。
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