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「母も閉じ込められてるはずです! 助け出さないと」
「他の部屋か、私はドアを開ける。その間に助け出せ!」
俺は1階の部屋を隈無く探す。廊下のドアも開けて探す。すると見付ける。
「中村! カルロス!」
「黒木先輩~」
2人は泣き付いてきた。
「俺の母さんを知らないか?」
「おばさんは知らないですよ。早く交番に行きましょう」
「探してる時間はないか。先ずは脱出だ」
俺は落ちていた金属バットで玄関に貼り付けられてる木の板をテコの原理で外すが、釘で確りと打ち付けられてる。
「あれ? 窓の隙間から光が見えます」
俺は窓を割る。ガシャーン!
「これは鉄格子じゃない! 発泡スチロールで出来てる。よく見ると、夜じゃない。黒いポリ袋で覆われている! 皆、窓から逃げよう!」
俺は窓から外へ出てポリ袋を引き裂く。
「どこだ、ここ? 実君の家じゃない?」
「ここは、どこですか?」
カルロスは震えている。
「分からない……廃れてるな、廃病院の中庭か?」
「近くの廃病院は阿智村だ。多分、高校の近くだ!」
「それだと、交番まで遠いな。取り敢えず、病院の中に入ろう」
「はい! さっさと出口に行きましょう」
「待てよ? この廃病院は精神科だったはず」
「つまり、今度は本物の鉄格子か」
「出口が開いてると良いが……。化け物が院内に入ってこないように」
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