第1章(イタズラ)

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「脳ミソ猫?」 「マイナーなUMAだよ。脳ミソが飛び出てるサーバルくらいの大きさの猫。まさか、こんなモノが映るとは……テレビ局にこの映像を売ろうよ」 「家がバレない? 嫌よ、そんなの」 「モザイクを入れてもらえば、良いじゃん」 「そうだけど」 「あっ! 脳ミソ猫が車に跳ねられた……ブレーキをしてないって事はドライバーからは見えてないのかな? 轢き逃げか?」 「何だか、気持ち悪いわね」 「あれ? 実君だ……脳ミソ猫が車に跳ねられた所を懐中電灯で見てる。実君には見えるのか!?」 「この映像をテレビ局に売るには、実君の了解を得ないと……」 「母さん、よろしく」 「私は嫌よ」 「俺も嫌だよ。モザイクとか編集とかで解決してもらおう」 ――その日の昼、ローカルのテレビ局に映像を送る。すると、テレビ局のディレクターから電話が来た。 「加工してないよね? 本物だよね?」 「日付を見てください。今日ですよ。CGやなんかで加工する時間はありません」 「早速、今夜にでも放送するよ。楽しみにしててね。10万円分の商品券を贈るから」 「ありがとうございます」 ――その日の夜、俺と母さんはテレビの前で待機する。 「18時15分になった。いよいよね」 「そうだね」 『こんばんは。今夜のニュースです。先ずはこちらから。飯田市に脳ミソ猫が現れました』  パッと、防犯カメラの映像が出て、俺達の姿が先ず映る。 「モザイクは入ってるようね。商品券でステーキでも買おうかしら」 「A4ランクの牛に……く。えっ、どういう事だ? ヤバいぞ」  映像が進むと、脳ミソ猫が車に跳ねられる。すると、実君にはモザイクが入ってなかった。 「モザイクが間に合わなかったのかしら? 実君は観てないと、いいけど」
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