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「脳ミソ猫?」
「マイナーなUMAだよ。脳ミソが飛び出てるサーバルくらいの大きさの猫。まさか、こんなモノが映るとは……テレビ局にこの映像を売ろうよ」
「家がバレない? 嫌よ、そんなの」
「モザイクを入れてもらえば、良いじゃん」
「そうだけど」
「あっ! 脳ミソ猫が車に跳ねられた……ブレーキをしてないって事はドライバーからは見えてないのかな? 轢き逃げか?」
「何だか、気持ち悪いわね」
「あれ? 実君だ……脳ミソ猫が車に跳ねられた所を懐中電灯で見てる。実君には見えるのか!?」
「この映像をテレビ局に売るには、実君の了解を得ないと……」
「母さん、よろしく」
「私は嫌よ」
「俺も嫌だよ。モザイクとか編集とかで解決してもらおう」
――その日の昼、ローカルのテレビ局に映像を送る。すると、テレビ局のディレクターから電話が来た。
「加工してないよね? 本物だよね?」
「日付を見てください。今日ですよ。CGやなんかで加工する時間はありません」
「早速、今夜にでも放送するよ。楽しみにしててね。10万円分の商品券を贈るから」
「ありがとうございます」
――その日の夜、俺と母さんはテレビの前で待機する。
「18時15分になった。いよいよね」
「そうだね」
『こんばんは。今夜のニュースです。先ずはこちらから。飯田市に脳ミソ猫が現れました』
パッと、防犯カメラの映像が出て、俺達の姿が先ず映る。
「モザイクは入ってるようね。商品券でステーキでも買おうかしら」
「A4ランクの牛に……く。えっ、どういう事だ? ヤバいぞ」
映像が進むと、脳ミソ猫が車に跳ねられる。すると、実君にはモザイクが入ってなかった。
「モザイクが間に合わなかったのかしら? 実君は観てないと、いいけど」
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