第2章(ここはどこ?)

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「しっ! 足音だ。誰か来る。犯人かも?」  俺達はヒソヒソ声で話す。 「俺が片付けてやる」 「おっ、おい。武器を持ってたら、どうするんだ?」 「大丈夫、実力は柔道初段だ」 「そればっかりだな」  俺は廊下の角で相手が来るのを待ち構える。ミシッ……ミシッ……。  来た! 先ずは八方崩しで相手の袖と襟を手前に引っ張る。相手が後ろに重心を移動させたところで……バターン! 「ぐあっ!」  俺は渾身の大外刈を決めて、男の顔を見る。 「……実君!? 気絶してくれたか」 「だっ、誰?」 「自販機にイタズラする隣人だよ」 「気を失ってる間にコイツを縛りましょう。中村、ビニール紐があったよね?」 「ああ、すぐに持ってくる!」 「犯人が実君なら安心だ」 「どうしてだ?」 「友人とか居ないから。多分、単独犯だよ」 「黒木先輩! 紐です。どうやって縛ったら?」 「後ろ手に縛ろう。足首も」  俺達は実君を縛り上げる。 「これで一安心だな」 「早く外へ出ましょう」 「そうだな。ここが実君の家だとすると、近くに交番がある」  俺達は玄関に行くと、板でドアが封じられていた。 「これじゃ、外へ出られない!」 「バールか何かないか? 探そう」 「痛っ!」中村の声だ。 「どうした? 大丈夫か?」 「床が濡れてて、転んじゃいました。って赤い!? 血か?」 「隣の部屋から流れてきたのかな?」 「開けてみよう」 「止めましょうよ。先に逃げた方が良いですよ」 「これだけの血溜まりだ。人が亡くなってるかも知れない。確認しなくては」  俺は血溜まりで滑らないように、気を付けながらドアを開ける。 「やっぱり、人だ…………。えっ!? 清水!? 実君、人を殺したのか。頭から血を流してる……」  ガツン! 「ぐおっ!」  俺は後頭部に衝撃を受けた。
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