4人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
だな。」
「文句言ってないで早く地雷の設置してください。なんなら恵実だけ外で過ごしてもいいんですよ?」
「それは勘弁」
そう笑いながら告げ、恵実はカバンから地雷を取り出し、地面への設置を始めた。
そんな様子を眺めながら私は菜奈へ近づき、今日のことについて話し始めた。
「ねえ、菜奈。今日の道のりは?」
「20キロです。まあ、今日はハプニングもあったので順調と言ってもいいでしょう。」
「そっか。まぁみんな生きてるだけ良かったよね。」
「そうですね。恵実は別に死んでも私は構いませんが。」
「コラコラ、そんな事言わないの、仲良くね。」
菜奈をなだめながら、そう言うと菜奈は
「わかってます。本当に由佳は優しいですね。」
そう言って私から離れていき、今日の宿泊準備を始めた。
日が暮れ夜になり、私たちは今日のことについてみんなで話し合った。
「なあ、もしかして夜鬼ってさ、私達が知ってる奴らの他にも仲間いるんじゃないかな?例えばゲームで言う上位種とか、ラスボスみたいな感じのやつ。」
「どうだろ。そういうのいそうだけど、私としては出てきてほしくないなー。」
「そうですね。そんなやつが出てきたとしたら、私達じゃ逃げることも、戦う事もできないでしょうしね。厄介な事この上ないです。」
「だな。今はそういうのに出くわさない事を祈るしかない。そして、もしそう言うのに出くわしてしまったら」
「何も考えず、ただ逃げてください。」
白瀬の言葉を遮るように、菜奈がそう言った。そのあまりの剣幕にみんなの空気が一瞬だけ凍りついた。
私はそんな空気に耐えられず、「ほらみんなもう寝よう!恵実、今日の見張りお願いね!おやすみ!」と、それだけ言って毛布の中へ入ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!