第三章 助け合い

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「よっしゃー!今日も頑張るぞー!」 昨日菜奈から銃の使用許可が出たので早く撃ちたくてたまらないんだろう。 朝からテンションが高く、ちょっとうるさい。 「若いやつは元気だねー。朝からそんなに張り切ると、本番でミスるぞ?」 そんな恵実を見ていたお姉ちゃんが、楽しそうにそう言った。 「それに、あまり油断しすぎると後ろから襲われて食い殺されますよ?」 そして、お姉ちゃんの後ろからひょっこり顔を出した菜奈が恵実に更に釘を刺した。 「うっ、わかってるよ。要は安全第一だろ?任せろ!」 そう言うと恵実は胸を張り、力強く頷いた。 「中身のこもってない言葉ほどイラッとするものはないですね。」 「何を!」 「はい、そこまで!これからは命のやり取りをしながら進むんだ。お互い助け合いながら進むこと。いいな、二人共。」 お姉ちゃんがそう言うと、二人は「はい。」と落ち込み気味に頷いた。その様子を笑いながら見ていた私は、みんなのもとへ駆け寄り、少しの雑談の後みんなと一緒にあるき出した。今日もみんなと生き残れることを祈りながら。
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