第四章 危険回避

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後ろで菜奈の声を聞き、私達も戦闘を開始した。 「恵実!撃ちまくれ!」 「了解!」 そう言うと同時に、恵実は夜鬼に向かって銃を乱射し始めた。「オラオラオラ!」 楽しそうに撃つ恵実を見ながら、私も恵実の援護を始めた。攻撃力二倍のお陰で、コイツも早く片付きそうだ。 そう思っていた矢先、目の前のビルからもう一匹の夜鬼が現れた。 (チッ!二匹相手は厄介だな。) そう思い、その夜鬼を改めてじっくり見てみるとその夜鬼は他の夜鬼と違うところがあった。 (何だあいつ?夜鬼に目なんかあったか?) あたしが見ていた夜鬼には目があった。本来、夜鬼には目はない。それは、昨日菜奈も言っていたことだ。そして、新種に出くわすのは厄介なことだ。それを重々に承知している白瀬は、その夜鬼から目を離す事ができなかった。 しばらくして、夜鬼にとどめを刺した恵実が私の方へ駆け寄ってきた。「なあ、なんであの夜鬼全く動かないんだ?」 「わからん。ただ、今までの奴とは違うということは明らかだろ。」 「ああ、不気味だな。殺すか?」 「いや、今は出方が分からない。とりあえず、あっちに戦闘意思はないし、私達もあいつから目をそらないようにして、菜奈たちを待とう。」 「分かった。」 そんな会話をして、私達二人は菜奈たちが合流するのを待った。その間も目の前の夜鬼と私達はにらみ合い続け、ただ、時間が過ぎるのだけを感じていた。
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