4人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
第四章 危険回避
昼食を食べ終えた私達は現在位置を確認し、それからゆっくりとあるき出した。
「だいぶ料理の腕上がったんじゃないか?菜奈。」
「そうですね、白瀬さんのおかげで作れる料理の幅も広がったですし、これをきに料理のレパートリーを増やしてみようと思います。」
そう言いながら、菜奈は照れたようにうつむいて髪をいじりだした。そんな菜奈の様子を微笑ましく見つめていると、姉から敵を発見した合図が下った。
「敵は二匹ですか。一匹は私と由佳で引き受けるです。もう一匹の方は白瀬さんと恵実で対応してください。くれぐれも無茶はしないように。」
そう念を押してから、菜奈は私に作戦を伝え始めた。
「由佳、私が合図したら向こう側へ走って、夜鬼に向かって銃を撃ち続けてください。そしたらおそらく、夜鬼は由佳に向かって走って来ると思うので、そこを私が横から撃ち抜きます。できますか?」
そう聞いてくる菜奈に私は満面の笑みで
「うん、大丈夫!」とだけ答えて臨戦態勢を取った。
それを確認して菜奈も臨戦態勢に入り、いつでも撃てるように構えた。お姉ちゃんたちも準備が出来たらしく、あとは合図を待つだけだ。
足に全神経を集中させ走り出す瞬間を待った。そして、そのときはすぐに訪れた。
「今です!」
そう菜奈が叫ぶと同時に私達三人は走り出した。私は夜鬼に姿を晒すとともに銃を構え、ひたすら撃ち続けた。
鉄を弾くような音とともに、夜鬼の一匹が私に向かってくる。(菜奈の言うとおりだ!)
そんなことを考えながら私は少しづつ後退りを始める。
菜奈の言うとおりに敵をひきつけ、夜鬼が菜奈の間合いに入ったとき勝負はかんたんについた。
「黙って死んでもらいましょうか。仲間を危険に晒すような事はあまりしたくないので。」
そう、菜奈は言い残し夜鬼の頭を撃ち抜いた。それから夜鬼が動く事はなかった。
最初のコメントを投稿しよう!