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第二章 戦う意思
(あっちは大丈夫かな。)
そんな事を考えながら、菜奈は白瀬の背中を追い、壊れた街をひたすら走り続けていた。後ろからはまだ夜鬼が追いかけてきている気配がある。なかなか巻くことができず、少し焦りながら菜奈達は行動していた。
「菜奈、もう少しだけ走れるか?」
「はい、ですがこのままだと他の夜鬼に出くわしてしまう可能性があるので早く後ろのやつを片付けたいのですが。」
「だよな。んじゃ、殺しますか。」
そう言うが早いか、白瀬は振り向き銃を構えた。今私たちが持っている銃は太陽光発電システムで、太陽光に当て続ければ半永久的に撃つことができる優れものだ。たが、連続的に長時間使い続けるとオーバーヒートを起こし、十分ほど機能を停止してしまうので、あまり使わないようにしようと菜奈は考えていた。なので今回は白瀬に殺してもらうよう、菜奈は少し下がったところで夜鬼が殺されるのを見ていた。
それから約10分後、白瀬は自分の仕事を終え、満足したかのように菜奈のもとへ駆け寄った。
「フー、やっぱり恵実の言うとおり殺すのって楽しいな。」
満面の笑みでそう言う白瀬に対し菜奈は
「できる限り私は手を汚したくないですけどね。さ、皆と合流しましょう。無線機は使えますよね?」
と冷静に白瀬に行動を促し始めた。
「使えるっちゃ使えるが、とりあえず今は何処かの物陰に隠れたほうが良くないか?ここにいると他の夜鬼に見つかるかもだし。」
「そうですね。それじゃ、あの物陰に隠れて少し休憩しながら由佳達が来るのを待ちましょう。」
「了解」
そう答えて、白瀬と菜奈は近くの建物へと歩き出した。
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