先生!

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それから、数日後の昼休み、3年2組の女子生徒が、職員室に鈴木先生を呼びに来た。 しかし、あいにく、鈴木先生は席を外していて不在だった。 「晴生くんが泣いてるんです。」 女子生徒が言った。 私は、教室に駆けつけた。 「何があったの?」 私は晴生くんに話し掛けるが、返事はない。 呼びに来た女子生徒に事情を聞くと、別の男子生徒2人が言い争い、一触即発の状況で、誰もが見守るだけで何も出来ずにいたところ、晴生くんだけが 「まぁ、まぁ、」 といつものように空気を変えようと、ちょっとふざけた口調でなだめに入ったらしい。 ところが、抑えの効かなくなった学年で1番体格の大きな男子から、お腹に膝蹴りを入れられた。 私は晴生くんに肩を貸して、とりあえず、保健室に連れて行った。 「痛かったね。 でも、喧嘩を止めてくれたんだよね? ありがとう。 先生は、晴生くんのその正義感、好きだなぁ。」 お腹を痛がる晴生くんは、念のために病院に行ってもらう事になり、お母さんにお迎えに来てもらって、早退をした。 だけど、幸い打撲だけで、内臓には特に異常はなかったらしく、次の日、けろっとして元気に登校した。 前日、散々、担任教諭からお説教された膝蹴り男子は、朝、自ら謝って、仲直りした。
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