私が好きなのは

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「今も課長が好きなの?」 晴生くんに聞かれて、私はコクンと頷いた。 「そっか。 だから、俺の誘いを断り続けてたんだね。」 私はまたコクンと頷く。 「里奈さんは、一途なんだ。 俺は、こんな一途で純粋な里奈さんを苦しめる 課長を許せない。」 私は驚いて顔を上げた。 「だって、悪いのは明らかに課長でしょ? 右も左も分からない新入社員を酒に酔わせて 襲うなんて、絶対やってはいけない事だ。 セクハラなんてもんじゃないよ。」 「でも、私も課長には憧れてたし、 勘違いさせたのかもしれないから。」 「それでも、既婚者の上司がする事じゃない。」 「………」 「里奈さん、別れた方がいい。 もし、困った事があれば、相談に乗るから。」
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