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晴生くんが連れてきてくれたのは、別のホテルに併設された水族館。
私は、ニュースなどでは見た事はあったが、実際に来たのは初めてだ。
すでに夕方で、こんな時刻から水族館に入る事も初めてだった。
足を踏み入れると、ライトアップがとても幻想的で、時を忘れてしまいそうになる。
私が足を止めて見とれていると、隣に立つ晴生くんの手が、私の腰に添えられた。
私は驚いて晴生くんを見上げる。
晴生くんは無言で笑みを落とす。
私の心臓が、トクトクとせわしなく存在を主張し始めた。
私は晴生くんの顔を見られなくて、目を逸らして俯いた。
恥ずかしくて、顔を上げられない。
私の事を好きって言った晴生くんが平気な顔してるのに、なんでなんとも思ってない私がこんなにドキドキさせられるんだろう?
課長といても、最近はこんなにドキドキした事ない。
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