サラマンダーの子

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 一呼吸したくらいで、すでにギルドは眼下にあった。さらにもう一呼吸で街全体が小さく見える。 「頑張ってこいよ!」「頑張って!」「無理すんなよ!」  風の音に混じって、そう、聞こえるはずのない声が聞こえた気がした。  飛竜は、さらに空高くへ昇っていく。前に乗る男が何か言いたげに後ろへ振り向いた。男はにやけながら言った。 「危険だからな。手を離すなよ、最後まで」
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