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天野少年は、敬語の任務から帰宅したとき、両親に言った。
「ここは、危険だから、家族全員でアルバにでも逃げた方がいいんじゃないかな」
「あら、私たちは、大丈夫よ」
母 冴子が言った。
「私たちは、想像者じゃないもの。変質者、じゃなかった、神様が狙っているのは、想像者だけでしょ」
「それより、保」
父、天野 達夫が天野少年に、いつになく、強い口調で言った。
「アルバの仕事だか何だか知らないが、お前の方が、心配だ」
「僕は、大丈夫だよ」
天野少年は、笑った。
「お隣の人たち、まじで最強だから、一緒にいれば。絶対に僕は、死なないよ」
「そういえば、お隣さんは、家族全員、想像者だったわね」
冴子の表情が曇る。
「湊さん、どうされてるのかしら。最近、お見掛けしないけど」
「あの人は」
天野少年は、何気なさを装て言った。
「仕事が忙しいからって、アルバに帰ったよ」
「そうだったの」
「それより、リリコは?」
何の気なしに、天野少年は、きいた。
母 冴子が台所から答えた。
「今日は、お友達とカラオケだって、気楽なものよね。でも」
母が、少し首を傾げた。
「そういえば、ちょっと、遅いわね」
「え?」
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