68人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
「考えてみれば、我々は、海の女王についてまだ何も知らない。性別も、年齢も、名前すら全く知らない」
「僕は、知ってる」
夢魔が言った。
「魂は,うそをつけない。あの人は、絶対に海の女王に間違いないんだ」
「しかも、訳のわからない呪詛によって力を封じられているわけだ」
金髪が言った。
「なんだっけ?鍵穴に合う鍵が見つかるまで、だっけ」
「今話し合うことは、3つ、だ」
スカーフェイスが言った。
「まず、海の女王を手に入れたわけだが、その封印をどうやって解くのか」
「お前が術をかけたんだろう。お前が解けばいい」
王龍に言われて、天野少年は、あわてて手を振った。
「無理ですよ。僕には、鍵をかけることはできるけど、鍵を開けることは、出来ません」
「使えないガキだな」
王龍が吐き捨てる。
スカーフェイスが続ける。
「2つ目は、女王が封印されている以上、それを解く鍵が見つかるまで、どこか、安全な場所に身を隠してもらうべきだと思うのだが」
スカーフェイスは、男たちを見渡した。
「異議は、ない」
王龍が言った。
「我々の内の誰かの庇護のもとに置くのがいいだろう」
「問題は、誰の下に置くかだな」
金髪と王龍がにらみ合うのを見て、スカーフェイスが言った。
「それは、私に考えがある。それより、3つ目だが」
最初のコメントを投稿しよう!