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彼女は、厳しい目で天野少年を見下ろした。
「この少年をどうするか」
「この子か」
金髪の男が、スカーフェイスに歩み寄った。
「家族が人質に取られているっていうのは、非常に気の毒だが、あのイナリ神なら、まず、命は、保証されていると思って間違いないだろう。あの神は、自分の土地にいる想像者を決して殺さないことで知られているし、まして、家族は、普通の人間なんだろう?」
「どうなんだ?」
眼鏡の男が天野少年にきいた。
「お前の家族は、普通なのか?」
「あたりまえだ」
天野少年は、答えた。
「僕の家系に僕以外に想像者は、いない」
「それは、解せないな」
王龍が言った。
「我々、想像者は、遺伝の病だ。血統にまったく想像者がいないなんてことがあるものなのか?」
「この少年の家族については、今、調べさせている。もうじき、報告があるだろう」
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