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「くだらないなら、何故そんな私に反応する?君は」
「知らん」
「そもそも、私の言語を理解できて、発することができる君は、一体何者?」
「知るか」
突然、僕の身体から力が抜けた。冷たく無機質な感触が、身体全体に触れる。
「ごめんなさい。最初はただの猫だと判断して放っていたのだけど、私の発する独り言に反応したので、破壊システムが危険だと察知して攻撃したようで」
猫…そうか。人間は、僕のことを猫と分類していたな。僕の首もとに微かな痛みを感じる。
「知能ある者は滅ぶべし。そういうシステムなので」
「くっそ…」
どうしようもなく、僕はヤツの光る面をにらみつける。
「そういえば、かつて野良猫の死骸は人間に認知されにくかったみたいで。何故?」
「知るか」
「もしかしたら、空にかえっているのかも。まさしく」
そんなヤツの言葉からは目をそらし、天井の星空を見上げつつ、僕の意識は遠退いていった。
<終>
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