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ふとした瞬間にバランスを崩した。見える景色が斜め上に移っていく。それと同時に、間抜けな声も口から漏れていった。
「うわっ」
ただ、辿り着いたのは固いコンクリートではなくて、スラッと立っている誰かの肩だった。
振り返ると、それは男の人だった。自分より背も高くて少しオトナっぽい。おそらく大学生くらいだからつまり……
─── あ、じゃなくて……
私は慌てて態勢を立て直した。
「すみません!」
そう言って彼から体を離したわけだが、その際に何かがパサリと地面に落ちた。
見ると【手紙】だ。
私はそれを取ろうと手を伸ばした。
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