方針

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「テンション上がるとちょっと戻ってくるのに時間がかかる。ファウスト殿、すまない」 「あぁ、いや……」  ダンが笑い、キフラスは申し訳なさそうにしている。  アルブレヒトが戻ってくるまで、ランバートは道中キフラスに助けて貰った事を話した。戦いやすかったと言えば、ほんの少しファウストの目が怖くなる。これに見られたキフラスのほうは、若干身構えた。 「ふふっ、軍神は心が狭い。こんな事で妻の浮気を疑うなんて、いけませんよ」 「え?」  楽しそうな声に反応したファウストの前に、ようやく戻ってきたらしいアルブレヒトが丁寧に頭を下げる。さっきまでと別人過ぎる。 「大変お見苦しい所をお見せしました。何せこのような立派な加護付きに出会える事が稀でして、テンションが上がってしまいまして」 「あぁ、いや」 「ジェームダル王太子、アルブレヒトと申します」 「帝国騎士団、騎兵府団長のファウストだ。色々と辛い事が多かったと聞きます。今は、大丈夫だろうか?」 「お陰様で、まったく問題無く過ごしておりますよ」  薄紫の瞳が柔らかくファウストと、その隣りに立つランバートを見つめた。 「軍神トールと、その妻シヴ。二人の出会いは約束されていたのかもしれませんね」 「え?」     
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