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「猛る軍神の矛を、美しい妻が静める。妻の憂いを、夫である軍神が払う。二人の相性は最高ですし、他では満足など得られない。互いを大事にしてくださいね」
「? はい」
ファウストはなんのことだか分からない様子だったが、ランバートがこっそりと「見える人なんだ」と伝えると気恥ずかしそうな顔をした。
なんにしても全体の作戦会議となり、オリヴァー、アシュレー、シウス、ラウル、アルブレヒト、ダン、ランバート、そしてファウストが揃った。
「では、既にラン・カレイユを落とす為の配置は終わっているんだな?」
シウスから話を聞いたファウストはやや考えて、一つ結論を出した。
「分かった。では俺達はこのまま王都コルリス・カステッルムを目指して前線を上げる」
ファウストの言葉に、数人は難色を示した。だがシウスは鷹揚に頷いた。
「ラン・カレイユへ目を向けさせてはならぬからな。こちらで大いに暴れて、ラン・カレイユから人を引き離す」
「それに加え、アルブレヒト殿が王都に入り玉座に座れば王の名乗りを上げるにも箔がつく」
これにはアルブレヒトが頷いた。
「王の戴冠には教会が管理している王冠が必要ではありますが、一度国が滅ぶくらいの気持ちで新たな王冠を作っても構いませんし。とりあえず王都奪還が先決です」
と、いうことで方針は決まった。
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