決死行

1/5
335人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ

決死行

 深夜の布陣。その数は千を超えた。  それに対し帝国側砦には動ける人員が少ない。  ランバート、ゼロス、ボリス、コンラッド、ハリー、エリオット、シウス、チェスター、ウェイン。他、第二師団五十名。  アルブレヒト、ダン、キフラス、レーティスのジェームダル組を含めても千を相手に戦う事は不可能と判断された。  他は負傷兵と医務兵、クリフは医務班としてカウントされた。  だが幸いなのは背後が自陣であることだ。布陣側の門扉を硬く閉じ、補給することで持久戦に持ち込める。  だが困るのは前線だ。前にも敵、後方にも敵だ。兵糧も届かず戦場に孤立した形になる。 「ファウストがおれば敵陣を崩す事は可能じゃが、人数を抱えての布陣じゃ。到底士気を維持できぬ」  地図を広げた深夜会議は深刻なものだ。シウスは予定通りジェームダルの三人を王都へと向かわせ、第五に指示を出してもらうと共に現状を伝えさせた。  だが問題は現状の打破。兵糧は二日もせずに途切れるだろう。水などはもっと早く切れる可能性がある。     
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!