呼び出し

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「隊長!連れてきました!」 やって来たのは、温室?‥の近くにある小さい小屋。中には、生徒さんが6人。 「その子があの転校生?」 「あー、食堂の時と見た目変わってるけどそうです。」 「君、名前は?」 一人が近づいてきた。 「岡崎光輝です。」 「そう。よろしくね。」 「はい!」 にこにこしながら、頭をなでられた。 「俺は三年の中島(なかじま) (さく)。会長の親衛隊副隊長なんだ。」 「副隊長!すごい!‥‥‥でも、親衛隊って何ですか?」 俺が聞くと、やっぱりわからないよね。って笑われた。 「この学園ではそういうものがあるんだよ。」 今度は、朔先輩よりも小さい人。 「僕が隊長の中島(なかじま) (けん)。君と同じ二年。」 「もしかして朔先輩と研くんは兄弟なの?」 名字が一緒だから気になって、研くんに聞いてみてら、朔先輩がいたずらっぽく笑った。 「あ、わかっちゃった?でもそんなに似てないしょ、特に身長とか。」 「兄さん、歳が違うから当たり前だ。来年にはそれくらいになってる。」 「ホントにー?もう成長期終わった癖に。」 「‥‥‥‥‥‥‥そんなことない」 「あぁもう!!無駄話はそれくらいにして!さっさと本題入ろうよ。時間の無駄でしょ!?」 兄弟喧嘩が始まるのかと思ったら、また別の人が止めに入った。お腹減ったな‥‥ 「ごめんごめん。こーきくん、本題に入ろうか。‥じゃあ言うけど、君には会長の親衛隊に入ってもらうよ。」 「‥‥えっと?」 親衛隊に入って欲しいってこと?そもそも親衛隊って何だろう。 「今ここで決めてもらう。」 「えぇ‥、俺、親衛隊が何かもわからないです‥」 「会長を尊敬するかしないかの違いだよ。君は会長を尊敬してるよね?」 それはそうだけど‥ あれ?そしたら、学園の皆が入るものじゃないの?俺だけこんなところに呼んで大和は呼ばないのって変‥じゃないのかな。 それに‥‥そんな大事なものなら、先生とかが教えてくれると思うんだけど‥‥ 「‥あ、あの、ちょっと友達に相談してこようかなって‥‥」 「今ここで決めないのなら、君は会長を支持しないって事になるけど。いーの?」 「え、いや‥」 あ、れ?さっきまで優しそうだったのに。朔先輩も研くんも何か怖い‥。 「君さ、食堂で会長の友達宣言してたよね。」 「え、っと‥そう、です、ね‥‥」 「なら入ればいいよね。友達なんでしょ?会長と!!」 「朔先輩‥?」 なんでだろう、怒ってる? ここにいるのは怖い。6人皆で俺を囲んでて、押し潰されそう。 早く教室に戻りたい。。。 「あ‥‥‥お、俺、親衛隊‥‥‥、入り‥んむっ!?」 「せんぱーい?」 とりあえず入るって言おうとして口を開いたら。 さっきまで入り口の前に立ってた、俺をここに連れてきたあの子が、突然俺の後ろから口をふさいできた。 「ちょっとちょっと。まだこいつ転校してきたばっかで何も知らないんだ。可哀想じゃないですか。 ‥何も説明されずに意味不明なとこ、先輩だって入りたくないでしょ?」 俺を朔先輩から庇うようにして、そう言ってくれた。 もしかして、助けてくれた?
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