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二人
なんなの‥俺こんなの知らない。知らないもん。
黒まりもが二人。双子??あれ、そういう感じ?
補佐とキャラかぶせてくる感じなの?
いやー、聞いたことねぇなそんなん。
‥‥‥‥これはこれでありか~?
二人セットで総受けもメシウマ‥‥かもしれない。
気持ちを切りかえよう。どんな時も柔軟に萌えへの思考を繋げるのが、俺のようなキングオブ腐男子ってもんよ。
「だ、大丈夫ですか?怪我は?あなたがたは転校生ですよね。あんなところから飛び降りるバカがどこにいるんですか。少しは考えて行動してください。もう高校生でしょう?」
ちょ、副会長‥、まだまりも達立ててないから。
あと何か言うなら笑顔とセットで!!
いつものあの作り笑顔だそう!
今のあんたはまるで虫けらを見るような目付きだよ!!!
「う、うぅ‥」
一人ダウンしちゃってない?どうなんのこれ。
「あ‥あの、おれたち、ヒーロー、なんで、だいじょぶ‥」
何言ってんの?ヒーロー?中二病か?
やめろ、王道にこれ以上属性を増やすな。
「‥‥理事長室にと言われていましたが、先に保健室ですね。」
ああああああああああ!終わった、もうこっからどうやっても無理じゃん。
まりも何へばってんだよ!立ち上がれよ!
諦めたらそこで試合終了だろ!!!!
「副会長の笑顔って嘘くさいな、そんな笑顔すんなよ!!」
って言うのが見たかったのにぃぃぃ!!
「‥へーぇ、なんですか?私の笑顔がそんなに嫌いですか。いい度胸ですね。」
は い ?
なんでだろう、副会長の顔がすっごく近くにある。
「あぁ、でも安心してください。あなたに向ける笑顔など今後一切ありませんので。」
あれ??俺に言ってるの?もしかして口に出ちゃうとかいうありえない大失態?
「では。」
「えええちょ、ちょっと待って下さぁぁ!?」
待て待て、俺、副会長に嫌われたくないよおおおっ
笑顔向けて欲しいの。俺は副会長の作り笑顔大好きだから。
‥‥‥‥本当だよ?
「ふくかいちょ!さっきのはですね、副会長に向けて言ったのではありません!」
「な、急になんですか‥。うるさいです。」
「副会長を悲しませてしまったこと、深く反省しております!」
「はぁ?別に悲しんでなんか‥」
「ですが自分、小説の音読をしていただけでございます!これを見てください!」
ふふふ‥。観察時により楽しめると思い持ってきた王道BL小説!ここには俺が叫んでしまった言葉がそのまま書かれているのよ!
「決して副会長に向けて言ったのではありません!
寧ろ俺、副会長の笑顔大好き!だから、笑顔を向けられないのは悲しいです‥。その歪で下手くそな作り笑顔たまらないのに!」
「やっぱり貶してますよね?殺すか。」
あぁつい本音が‥‥‥‥ってかさらっと殺害宣言すんの本当に最高だな副会長。
「ですが‥‥‥‥‥、丁度良いところにいましたね。今からこの二人を保健室に運びたいのですが。手伝ってくれますよね?」
「」
「なんですか、その顔は。私の頼みが聞けないとでも?」
わー、副会長の上から目線すこ!!じゃなくて‥
「あの、俺やることがありまして‥」
「私の笑顔好きなんですよね?手伝ってくれるのでしたら、終わった後、好きなだけ微笑んであげますよ。この下手くそで歪な笑顔を。」
わー、すっごいブラックスマイル。
本当はね。俺は観察者だから。関わるのなんてご法度なんだけど。こうなったら、多少転校生に近づいてしまっても構わない!
だって、副会長の歪な笑顔が好きなだけ見れるんだもの!!()()
滅多にないチャンスを俺は逃さない!()()
まあ、二人ともダウンしてるから。向こうが俺を認識しなければいいのさ。
「是非ともお供させていただきますぅ~」
「そうですか、では頼みます。」
さて、まりもの片割れを持つ‥‥持てない。
あぁ、なんでこんな大事なことを忘れてたんだろうな。
俺、非力だったわ。
「副会長様‥、俺、無理かもですわ‥持てない‥」
「‥‥‥あなたは馬鹿なんですか?そんな持ち方してたら持てるものも持てないと思いますけど?ああもう!!これ以上イライラさせないでくれませんか!?!?」
「い、いや~そんなこと言われても‥‥‥
俺だって精一杯頑張ってるんですけどね‥‥」
副会長がおこだよぅ~あせあせ‥‥‥
「背負うってことを知らないんですか??」
「おんぶよりお姫様抱っこの方が格好いいと思いまして。」
「黙れ」
「」
‥‥‥しっかりとおんぶさせて頂きました。
あら不思議。楽々担げちゃうわ。
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