副業始めました

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「こんにちは、高山ノボルです」 「箕面カエルです。ほなさいなら」 「帰るなって、いつも言ってるやろ。それでなくてもカツカツで生活してんのに」 「へえ、キミはカツカツなんか。俺はちゃうで」 「なんでやねん。給料折半で、ピンの仕事なんて全然入ってこえへんやんか。なんでキミだけ余裕あるねん」 「俺な最近副業始めてん」 「副業??なんやそれ。ラーメン屋でも始めたんか。チャッチャッチャッって湯切りしてんの」 「なんでラーメン屋やねん。ヘイ、ラッシャーイ!チャッチャッチャッ、ちゃうわ、アホッ」 「ほんならなんやねん。ダフ屋か、あかんであれは、非合法やから」 「はい、ジゲッドないか、ジゲッドないか、買い取るで、はい、ジゲッドあるで。ジゲッドあるで、ってなんでやねん。なんでダミ声でやらすねん」 「勝手に自分がやってるんやんか。しらんがな」 「ちゃうやんか、全然。中古販売やってんねん」 「ハナテン中古車センター。あんな感じや。いつそんなに車集めたんや。ベンツとかBMWとか売ってるんや。管理が大変やろう。いつ車磨いてるんや。夜中か。腱鞘炎にならんようにな。まあ、なっても漫才できるから、関係ないか」 「腱鞘炎にはならへん。中古車売ってないから。そんな、たいそうなもんやない。家にあるもんや」 「ええっ。まじか。それはやったらあかんやろう。俺それは人間としてどうかと思うで」 「そうか。なんでや。家にあるもんしか売られへんやんか。他に何売るねん」 「嫁と子供は売ったらあかん。それは人身売買や。明治ぐらいまでは、あったらしいけどな。平成の世の中では完全にアウトや。子供をデリヘルに売るなんてお前のこと、見損なったで」 「アホか。なんで嫁と子供をデリヘルに売り飛ばすねん。人生ゲームでもそんなに露骨ちゃうわ」
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