「こんな俺でよろしければ、」

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「こんな俺でよろしければ、」

「……これ、で……よしッ。リカバリー完了!!」 「「うぉぉぉ!!」」 深夜を回ったオフィスで、男達の歓喜の声が上がる。 さながら、男子校の体育祭のような雰囲気。 それもそのはず、 俺らは既に徹夜組。ハイにもなるってもんだ。 SEの仕事に残業はつきものではあるけど、 別件の納期を目前に控えていて、ただでさえバタついてた中に起こった、一昨日のシステムトラブル。 ややこしい復旧作業に奮闘するチームと 納期厳守のリリース作業に追われるチームで、 それぞれ夜通しパソコンにかじりついてたわけだが、 ようやく両者とも家路につける目処がついた。 しばらくぶりに背筋を伸ばすと、 ボキボキと恐ろしい音が背骨から聞こえてくる。 背もたれに身体を預けると、どっと疲れが湧いてきた。 あー……やっと、帰れるか…… と思った矢先。
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