「こんな俺でよろしければ、」

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ビジネスホテル、か。 そういえば、昨日は会社の研修で、場所が本社の方だから泊まりがけだと言ってたな。 時計を見ると深夜1時前。 さすがに彼女は寝てるだろうけど、一応心配してくれてたからメッセージを残した。 こちらの状況と、最後に『起こしたらごめん、お疲れさま。おやすみ』と付け足して。 すると意外にも、すぐに既読がついて、 お疲れさま、という可愛いクマのスタンプが返ってきた。 お気に入りらしくよく使ってくるこのキャラクター、どことなく彼女に似ているんだよなぁ。 おもわず顔が緩んでふっ、と笑いが溢れてしまって、 隣で資料を片付けていた先輩に『このリア充ヤロウ』といつもより1.5倍くらい妬みのこもった口調でヤジられた。 スタンプに続いて、またメッセージが届く。 『それなら、私の家に来てなよ! 会社よりは休まるでしょ?私お昼前には帰れるから、ご飯作ってあげるよ。一緒に食べない?』 まさかの提案に、俺は一瞬「え」と口に出してしまった。
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