【第2話】『扉』

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「ねぇ、次はいつ会ってくれるの?」 「さぁ」  シャツを着ながら素っ気ない返事をするタケル。女はベッドから降り、そんなタケルに裸のまま抱きついた。 「タケルはいっつもそう。都合のいいときだけあたしと遊んで。…あたしはタケルの何なの?」 「何やろな」  女の苛立ちが手に取るように分かる。 「ちゃんと答えて!もしかして、他にも女がいるんじゃないの?」 「別に」 「いるんでしょ!正直に言いなさいよ!」  ギュッ  タケルのシャツを思いっきり握りしめ、下から睨み付ける瞳。薄く涙が揺れている。  タケルは女の長い髪を手でかき上げ、小さく微笑んだ。その笑みは「そんなワケないじゃん」と言っているようにもとれた。  すると女もそれに微笑み返した。 「…ごめんね、酷いこと言っちゃって…そんなワケないのにね。」 「………」 「タケル…愛してる」  そっと目を閉じ、自分の優しい仕草を待っている女。  タケルはその女の長い髪を片方、優しく耳にかけると吐息が聞こえるほど近くまで口を近づけて、言った。 「他にも女がいるとか思ってんだったら勝手にそう思いこんどけよ。」  バッ  タケルは女の手を振りほどいてドアへと向かった。一瞬にして青ざめる彼女の表情。 「いやっ…待ってよ!タケル!行かないで!ごめんなさい!!お願いだから!!」 「さよなら」  タケルはその一言を残し、部屋から出ていった。
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