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女ってなんでこうややこしいんだ。
一人で車に乗り込んだタケルはエンジンをかけ、ため息をついた。
タケルは本当に他の女に手など出してはいなかった。しかし、今の女の事も本気になることができず、別れるのにはちょうど都合がいい、と思い否定をしなかったのだ。タケルにとってはただの『暇つぶし』だった。
あー疲れた…
その時、携帯の着信が車内に鳴り響いた。
電話までかけてくんなや
そう思いながらも嫌々電話をとった。
「…何」
『もしもしタケル?』
聞こえてきた声は意に反してケイのものだった。
「あぁ…おまえか。何?」
『あの…眠れないんだけど、添い寝してくれない?』
ケイの弱々しい声で作られたその言葉にタケルは混乱した。
「は?一人で寝ろよ気持ち悪い。」
『へへ。嘘やって、もう、タケルは騙されやすいなぁ』
クスクスと笑うケイの声が受話器から聞こえてくる。からかわれた事に対して、タケルはムカッとした。
「……で、何の用?」
『ごめんごめん。ライブ決まったって聞いた?』
「さっき連絡きた。」
『そっか。でな、今日アッちゃんちで鍋するねんて。タケル来れるやろ?』
「別に予定ないけど。」
『ほんまに!じゃあ…申し訳ないんやけど、車で拾ってってくれんかなぁ。』
「…ええけど。じゃあまた行くとき連絡する」
『ありがとう、よろしく!』
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