【第3話】 『光』

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 そう言ってタケルは駐車場の方へ歩いていった。とまどいながらもタケルの後をついていく女の子。  その様子に気づいたアツシがすかさず叫んだ。 「タケルー!!そういうの禁止って何度言ったら分かるねん!!ファンに手ぇ出すな言うたやろ!!」  そんなアツシの叫びもむなしく、タケルは軽く返してきた。 「別に手ぇ出すとか、そんなんちゃうから。暇やし、送るだけ。じゃ。」  ケイは勝手に帰ろうとしてしまっているタケルに叫んだ。 「タケルー!!俺は!?どうやって帰ればええんよ!」 「歩いて帰れば?」  タケルに冷たくあしらわれ、いじけているケイにリョウが声をかけた。 「しょうがないって、タケルは女第一なんだよ。」 「だってぇ!歩いて帰れってひどくない!?」 「あぁ、もう分かったから。今日は俺が送ってったげるから、安心しなさいな。」 「リョウちゃん…ありがとう…!!」  その横でアツシはイライラしていた。 「あーもう!!あいつの女癖さえ直れば言う事ないのに!!」  そんなアツシに絡んでくるファンの子たち。 「アツシ君は女遊びとかしないの?うちら、今夜空いてるよっ♪」 「え、えーっと…」  少し離れた所からこちらを睨みつけるカヨの視線に気づいた。 「……遠慮しときマス…。」    こうしてZillの初ライブは無事終わった。メンバーの誰もが、これからのバンドの成長に胸を躍らせていた。 【第3話-END-】
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