【第4話】 『傷』

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 相手と目があったケイはヨロシク、というように少し頭を下げた。  すると無視をするかのように目をそらされた。  なんや、態度でかいヤツらやなぁ  タケルがそう思っていると、タケルの苛立ちを察したのか、ケイはまぁまぁ、とタケルに軽く微笑んだ。  タケルはまぁいいか、と相手の事は気にしないようにして、タバコの自販機に金を入れた。その横で飲み物を買おうとしているケイ。  が、その時  カンッ!!  乾いたような空き缶の音がしてタケルはパッと音の方を見た。 「ジャストヒットー。」  カラカラカラ…  ケイの足下に転がる空き缶。それを見てクスクスと笑う男たち。  タケルには、あの4人のうちの誰かがケイに缶を投げつけたのだ、とすぐに分かった。  一気に込み上げてくる怒り。 「お前らええ加減に…!!」  4人に駆け寄っていくタケルの腕をケイが掴んだ。 「タケル!」 「離せや!もう黙ってられんわ!」  ケイの手を振りほどこうとするタケルの腕を、ケイは更に力を入れて掴んだ。 「…ええからタケル、な、控え室に戻ろ?」  そう言って小さく無理に微笑むケイ。タケルは力の入った拳を握りしめたまま4人を睨んだ。そしてケイの腕を引っ張り、自販機コーナーから出ていった。  4人はそんな二人の姿を見て、おかしそうに笑っていた。 「いきなり出てきたくせに、調子のってるからや。当然の罰やな」 「缶投げられたときのあいつの顔見た?マジでビビってやんの。」 「……ってかぁ、俺、あのヴォーカル知ってんだけど。」 「まじ?知り合い?」 「小学と中学ん時のね。…いわゆる『お友達』ってやつ?」  そう言ってまたクスクスと笑う。
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