【第4話】 『傷』

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 控え室への廊下を歩く二人には沈黙が続いた。ずっと下を向いたままのケイ。  控え室のすぐ手前でタケルはケイをチラッと見て言った。 「なんでやり返さへんねん。」  それに小さく答えるケイ。 「…別にええから」 「何が別にええねん!お前頭おかしいんとちゃうか!?」  そう怒鳴ったタケルに、ケイは今まで見せたことのないような寂しそうな顔をした。 「頭…おかしいかもしんないね…」  その言葉を聞いてタケルの怒りは更に増した。 「…勝手にせぇや」 バタンッ!!  一人で控え室に入っていってしまったタケル。ケイは控え室に戻ってはこなかった。 ――「タケル、ケイは?」  訪ねてくるアツシとリョウに「さぁ」と冷たい返事だけをする。 「俺、探してくる、もうすぐ本番だし。」  そう言ってリョウはケイを探しに行った。
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