3人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
控え室への廊下を歩く二人には沈黙が続いた。ずっと下を向いたままのケイ。
控え室のすぐ手前でタケルはケイをチラッと見て言った。
「なんでやり返さへんねん。」
それに小さく答えるケイ。
「…別にええから」
「何が別にええねん!お前頭おかしいんとちゃうか!?」
そう怒鳴ったタケルに、ケイは今まで見せたことのないような寂しそうな顔をした。
「頭…おかしいかもしんないね…」
その言葉を聞いてタケルの怒りは更に増した。
「…勝手にせぇや」
バタンッ!!
一人で控え室に入っていってしまったタケル。ケイは控え室に戻ってはこなかった。
――「タケル、ケイは?」
訪ねてくるアツシとリョウに「さぁ」と冷たい返事だけをする。
「俺、探してくる、もうすぐ本番だし。」
そう言ってリョウはケイを探しに行った。
最初のコメントを投稿しよう!