【第4話】 『傷』

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コンコンッ その時、リョウとケイが控え室に戻ってきた。 「ケイ発見してきたー。遅くなって悪かったな、ちょっとお喋りしてきたんだ。な、ケイ。」  そのリョウの言葉にニコッと微笑むと、おそるおそるタケルに近づくケイ。 「…タケル?あの…さっきはごめ…」    ケイが言葉を言いきる前にタケルはケイの頭をポンポンと叩いた。  きょとんとするケイにタケルは言った。 「…人に優しいのはいいけど、自分の身はちゃんと自分で守れよ。ええヤツばっかとちゃうんやからな。」  ケイはタケルの優しい言葉に安心した表情を浮かべ、小さく頷いた。 「タケル、ありが…」  パシンッ 「痛ぁっ!!」 「分かったら気合い入れろ」  タケルはケイの肩を思いっきり叩いて、ステージの方へ行ってしまった。 「いたぁぃ…もう!タケル!待ってよ!」  タケルの後を追うケイ。二人の姿はまるで兄と弟の様だった。    アツシはそんな二人を見て、ただならぬ不安を感じていた。 【第4話-END-】
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