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コンコンッ
その時、リョウとケイが控え室に戻ってきた。
「ケイ発見してきたー。遅くなって悪かったな、ちょっとお喋りしてきたんだ。な、ケイ。」
そのリョウの言葉にニコッと微笑むと、おそるおそるタケルに近づくケイ。
「…タケル?あの…さっきはごめ…」
ケイが言葉を言いきる前にタケルはケイの頭をポンポンと叩いた。
きょとんとするケイにタケルは言った。
「…人に優しいのはいいけど、自分の身はちゃんと自分で守れよ。ええヤツばっかとちゃうんやからな。」
ケイはタケルの優しい言葉に安心した表情を浮かべ、小さく頷いた。
「タケル、ありが…」
パシンッ
「痛ぁっ!!」
「分かったら気合い入れろ」
タケルはケイの肩を思いっきり叩いて、ステージの方へ行ってしまった。
「いたぁぃ…もう!タケル!待ってよ!」
タケルの後を追うケイ。二人の姿はまるで兄と弟の様だった。
アツシはそんな二人を見て、ただならぬ不安を感じていた。
【第4話-END-】
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