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「………」
無視をするようにトイレから出ていこうとするケイ。
「おい、ちょっと待てや。」
引き留められるように、男に腕を捕まれた。
「…なに」
ケイは冷たい目で相手を睨み付けた。
「誰を睨んでんのか分かってんの?テメェのその目、ムカつくんだよ!!」
ダンッ!!
大きな音とともにケイはトイレの壁に叩き付けられた。そのままケイの胸ぐらを掴む男。
「お前ら最近調子のってない?何様のつもり?」
「…べつに」
ケイは動揺することなく、ただ冷めきった目で相手を睨み続けた。
その時。それまで黙っていたメンバーの一人がスッとケイの前に立ち、壁に手をついた。
「……よぉ。」
「……」
「何イキがってんの?」
「…どけよ。」
「あれ?俺の事知らない?」
「……さぁ。」
「寂しい事言うなよぉ。」
「………」
しかし次の言葉でケイの表情が一変した。
「…久しぶり、『桐谷くん』」
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