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レオさんは若くないけど、整った顔を持つワイルド系イケメンだ。許す。
私はゆっくり息を吐いて心を落ち着かせると、レオさんに確認をする。
「あの、騎士って誰でもなれるんですよね?」
「ああ、そうだ」
どうやら私の涙が荒療治?になったのか、レオさんの言葉づかいは仰々しいものではなくなってた。それが嬉しくて、私はニコニコ顔で続ける。
「私はこの世界のことをちゃんと知りたいです。お役目を果たすには若い騎士候補よりも、経験を積んだ強い傭兵の方が良い気がしたんです」
「そ、そうか」
なぜか私の笑顔を見て顔をそむけるレオさん。あ、すいません。ヘラヘラしちゃって。
気合を入れ直すために背筋を伸ばし、キリッとした顔をする。
「独身でも既婚者でも構いません。私がしっかり『春』を呼べるように、協力してくれる人なら、誰でも」
「だが、騎士っつーのは結婚する相手としても選ぶ基準がな……」
「私は結婚しません。できません」
「なんでだ? 姫さんなら……」
「私は異界の人間です。そして歴代の春姫たちが、ここの人達にどう思われているのか分かっているつもりです」
「それは……」
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