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あまりにも動揺するサラさんに、さすがの私も気づいてしまう。この能力のことについて大事なことが分かってしまう。
「サラさん、正直に言って」
「なななななんでしょう!?」
「この『身体能力強化』っていうのは、どんなものなんです?」
「……はい。それは、元気な人、と」
「元気な人?」
「病気などになりづらく、健康であるということですね」
つまり、何だ。私はこの異世界で言葉に不便をせず、健康に過ごせますよってことか。
まぁそうだよね。最低それがないと、平々凡々だった私が異世界で生き残れる可能性は米粒ほども発生しなかったよね。うんうん。
「ちなみに、他の姫ってどういう恩寵があるんですか?」
「例えば冬姫様は『剣聖』という恩寵を受けられているとか。秋姫様も芸の才能がおありで、夏姫様も学問では素晴らしい成績をおさめられたそうです」
「へぇ……そりゃ、さぞかし人気でしょうね」
「ええ、それはもちろん! 騎士になりたいという若者たちが、毎日のように塔に詰めかけているとか……いないとか?」
言葉の途中で私の表情に気づいたのか、サラさんは音量を絞っていく。いいんですよ。お気遣いありがとうございますサラさん。うふふ。
「ただでさえ春姫は不人気なのに、私の恩寵じゃ……」
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