プロローグ

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 姫は世界の宝だとされるものの、異世界の姫でも同じだといえるのだろうか。  家族や知り合いと別れて、右も左もわからない世界に放り込まれた哀れな人を。  偶然が偶然を呼び、私はこの世界『フィアテルエ』に呼ばれてきた。  お恥ずかしながら、遠野花奈(トオノハナ)三十五歳の独身は、異世界で季節を管理する塔の「春姫」として「お仕事」させていただいてます。
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