8、傭兵団長の噂

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 とりあえず、一人目の騎士の目処は立った。彼が講師の契約を完了させて塔に来るまでに、私も色々と調べておかないといけない。  この国と、この世界のことを。  部屋に戻って、埃を落とすためにお風呂に入ってスッキリとした気分になった私は、初日に読んだ『チュートリアル』のいう本を読み直そうと手に取ると、表紙が変わっているのに気づく。 「あれ? 別の本?」  そこには『チュートリアル』ではなく『騎士マニュアル』と表記されている。 「え? 前のやつはどこにいったの?」  慌ててベッドのしたとか、サイドテーブル周辺とか探すけどそれらしきものは見当たらない。諦めて手に持っているこの『騎士マニュアル』という冊子を開く。   この本を手に取った貴女は、無事に『チュートリアル』を卒業したと思います。   きっとベッドの下とか色々探したと思うけど、意味なかったね。ごめんね! テヘペロ! 「ふざけんな」  思わず壁に投げつけたくなるのを、なんとか我慢する。くっそムカつく。燃やしてやろうか。   あ、燃やすのは勘弁! 何でもするから!   地球に戻すことは無理だけどね! メンゴメンゴ! 「あ、これ燃やしてもいいヤツだよね。そうしよう。今すぐしよう」   本当に申し訳ない。どうか許してください。     
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