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「もう話し方は崩してくださいませ。それにお礼は要りませんよ。姫様のご要望はこれでも少ないくらいなのですから」
「ん、じゃあお言葉に甘える。でも贅沢はできないよ。これって国のお金で買ったものでしょ?」
「はい。ですが、四季姫様たちがいなければ、世界に四季が巡らなくなってしまいます。国としての大事を担う人物である姫様は、尊き御方なのですよ。もっと贅沢をしても許されますのに」
「姫って柄じゃないし、これは娯楽みたいなものだからねー」
そう言いながら早速ペンで一発描きをしてみる。デフォルメ版のサラさんだ。
「まぁ、これは可愛らしいですね。女の子……ですか?」
「サラさんだよ」
「あらあら、私はこんな小さな子じゃありませんよ」
調子に乗った私は、ついでにレオさんも描いてみる。昔からこういうデフォルメのイラストは得意だったんだよね。しかもちゃんと特徴をつかめていると思うんだけど。
「これは、レオ傭兵団長ですね! とてもお上手です! 自分のは分からなかったのですが、他の方の絵を見ると、確かにその人だと分かりますね!」
興奮したサラさんは、何度も頷きながら私の絵を褒めまくる。ちょっと恥ずかしいけど嬉しいな。
「そうそう。紙とかインクなんだけど、なんで高価なの? 作るのが大変だからとか?」
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