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う、まさか私はこのまま老後まで頑張るつもり……なんて言えない。これはある程度務めたら誰かになんとかしてもらうしかないか。
なんとかっていっても今はノープランだけど、なんとかなる! ……と、思う。
「そうだ。こういう絵って売れるかな?」
「それはもちろんでございます! ですが、同じものをたくさん描くのは大変そうですね」
「え……もしかしてこの世界、印刷技術ないとか?」
「いえ、文字は印刷でなんとかなってますよ。この本も印刷したものですし。少し前までは人の手で書く写本が主だったんですけど」
「そこからか……漫画を広める以前の問題か……」
「この印刷技術を広めた人物が傭兵団にいると聞いています。レオ様ならば何かご存知かもしれませんね」
「聞きたい! その話! ぜひとも!」
私の剣幕に驚いたのか、サラさんは顔をひきつらせながらも「そのようにしましょう」と言ってくれた。
うん。我ながら良い判断をしたもんだ。
レオさんから色々と話を聞いて、姫を引退しても収入を得られるように根回ししておかないと。
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