時がくるその時まで

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父上、父上、父上、 なんで、なんで、 なんで、いくら追いかけても貴方に追いつく事が出来ないのですか父上、お願いです私を置いていかないでください父上。 風が吹いているはずもないのに木の葉が揺らめいている、 ふと頬に冷たいものを感じ頬に手を当てると濡れていた、 雨でも降ったのだろうか、いやそんなはずがない。 天井の見た目が空そっくりでもここは所詮俺が創造した異空間 雨など降るはずがない。 エフェクトと考えられなくもないが、 雨のエフェクトなんて俺の眠りを妨げるものを彼奴が作り起動させるはずがないし、 何よりも木の葉から漏れ出す光がそのいい証拠だ。 少し重たい身体を起こすと瞳から雫らしきものが落ちてきた、 あぁ、なるほど、そうか私は泣いていたんだな.... 先程まで見ていたであろう夢が原因だと思うがあまり良く覚えていない。 ただ胸の辺りが切なく感じるから あまり楽しい夢では無かったのだろう。 胸にあるただ一つの父の形見をそっと撫で 夜が来ないこの異空間で再び眠りにつくため横になる、 時がくればあの龍神が俺を起こしにくる。 それまでは楽しくない切ない夢を見ながら待っていてもいいだろう? おやすみなさい父上。
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