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私はいつも下を見ている。
歩く時も、人と話す時も。
私は前を向くことができない。
怖くて怖くて仕方がないのだ。
別に何かあった訳ではない。
身体の機能に異常がある訳でもない。
ただただ怖いのだ。
今日もいつも通り下を見て歩いていた。
地面に雫が落ちてきた。
雨かなと手をかざしてみるが違うみたいだ。
でもまだ雫は落ちてきている。
この雫はどこから落ちてきているのか。
私は意を決して上を向いた。
頬を伝っていく雫。
久しぶりに見た空は綺麗だった。
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