3の空

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 それから、青玉(あおだま)の基準で190日後、とうとうぼくら皆で、ゲシュタルト号に乗り込んだのだった。 ゲシュタルト号は、金星と地球の最短ルート上をまっすぐに進んでいった。 途中(とちゅう)、スペースデブリなどの障害物(しょうがいぶつ)に出会うこともなく、進路を変更しないでまっすぐに進んでゆく。 このままいけば、ギリギリ、かな。 ぼくらは、内心ドキドキだったが、そういうそぶりを一切見せずに、おとなしく2日間をゲシュタルト号で過ごすことになる。  そして、金星を出発してから2日後に、ようやくお目当ての光景を見下げることができたのだ。 眼下に広がるのは、黒い宇宙空間にぽっかりとうかぶ、まんまるの青い星。 きれい。 そうぽつんとつぶやいたのは、監督者(かんとくしゃ)としてぼくらに同行してきたヤエちゃんだった。 こうやって、宇宙空間から見下げるのももちろん、美しい光景だけど、あたしがね、おさない頃に見上げたこの空は、他の星にはないほんとうにほんとうに特別なものだから、早くみんなに見せたいな。 そうソーンダイクちゃんが言うからには、その美しい光景を見てみたいものだ。 けれども、ヤエちゃんがそれを許すかどうか。
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