7人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
それから、青玉の基準で190日後、とうとうぼくら皆で、ゲシュタルト号に乗り込んだのだった。
ゲシュタルト号は、金星と地球の最短ルート上をまっすぐに進んでいった。
途中、スペースデブリなどの障害物に出会うこともなく、進路を変更しないでまっすぐに進んでゆく。
このままいけば、ギリギリ、かな。
ぼくらは、内心ドキドキだったが、そういうそぶりを一切見せずに、おとなしく2日間をゲシュタルト号で過ごすことになる。
そして、金星を出発してから2日後に、ようやくお目当ての光景を見下げることができたのだ。
眼下に広がるのは、黒い宇宙空間にぽっかりとうかぶ、まんまるの青い星。
きれい。
そうぽつんとつぶやいたのは、監督者としてぼくらに同行してきたヤエちゃんだった。
こうやって、宇宙空間から見下げるのももちろん、美しい光景だけど、あたしがね、おさない頃に見上げたこの空は、他の星にはないほんとうにほんとうに特別なものだから、早くみんなに見せたいな。
そうソーンダイクちゃんが言うからには、その美しい光景を見てみたいものだ。
けれども、ヤエちゃんがそれを許すかどうか。
最初のコメントを投稿しよう!